東京電力福島第一原発で事故が起きてから、そろそろ10年になろうとしています。
そんな中、汚染水の海洋放出は一旦は見送られたものの、私たちは忘れてはなりません。いつ決定/中止が決まるのか、いつ発表されるのかは、まだわからない状況にあることを。

故郷を離れ、現在も避難生活を続けている人は4万人以上。
事故当時まだ子どもだったという若者世代にとっては、もう遠い昔の出来事のように感じるかもしれません。
でも、事故はいまも続いています。

被災地での除染作業も続いていますが、毎年実施しているグリーンピースの調査によって、面積の7割を山林が占める福島で、除染されない山林から風や雨で運ばれてくる放射性物質による再汚染が判明しています。
除染で集められた放射性物質はどんどんたまる一方です。

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どんどんたまるといえば、汚染水。
廃炉作業中の東電福島第一原発では、溶けた核燃料を冷やすために水を原子炉に注ぎ続けています。これが汚染水になります。
一方で、山側から原子炉建屋の下に流れこんでいる地下水も、放射性物質を含んだ汚染水になります。

東電はALPS(多核種除去設備)を使ってトリチウム以外の放射性物質は取り除いた、トリチウムは危険ではないから、毎日2リットル飲んでも人体には問題ない、などとしていましたが、実際には約8割の「処理水」に基準値以上のセシウムやストロンチウムが残ってしまっています。

しかも最近になって、放射性炭素14という物質の問題まで明らかに。

炭素は人体を含むあらゆる有機物にさまざまな形で組みこまれています。そのため、炭素14は、人間を含めいろいろな生きものの身体に取りこまれ、遺伝子を傷つける恐れがあります。

フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)発行の「放射性核種ファクトシート炭素-14と環境」は炭素14について以下のように説明しています。

「炭素14は細胞構成成分(タンパク質、核酸)、特に細胞DNAに組み込まれるためその結果として、分子の切断を伴うDNA損傷が生じ、細胞が壊死したり、突然変異が誘発したりする可能性がある」

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炭素14の半減期は5,730年
環境中に放出されれば、気の遠くなるような年月の間、影響を及ぼし続けます。
だからこそ、福島のみならず日本全国、世界各国から反対の声が集まっているのです。

ではなぜ政府はALPSでの処理と海洋放出という選択肢にこだわっているのでしょうか。

理由のひとつは「コスト」です。
たとえばアメリカのピュロライト社は、汚染水をより安全なレベルまで処理することができるとしています。にも関わらずALPSが採用されているのは、単純にピュロライト社よりも安価で、それで処理した汚染水を薄めて海に流すのが安上がりだからでしょう。

もうひとつは、毎日増え続ける汚染水のタンクを減らせば、見た目に「原発事故はもう終わった」というイメージづくりに役立つからです。

イメージに都合が良くて安いからといって、何万年も地球全体を汚染するものを自然界に投げ出していいものでしょうか。

地元の漁業協同組合連合会は、今年の2月には出荷制限が解除され、これから増産に向けて舵を切ろうとしているところであるとして、海洋放出に反対しています。

繰り返しになりますが、海洋放出はいつ決まるのか、いつそれが発表されるのか、わからない状況にあります。海洋放出をくいとめたい、これ以上海を汚さないでほしいと、いまこそ全力で訴えかけていかなくてはなりません。

グリーンピースは、容認できる選択肢は、長期保管と放射性物質除去技術の適用しかないと考えています。

“Greenpeace”

グリーンピースは事故直後から現在に至るまで、大勢の皆さま方からのご支援とご協力を得て、福島県を含む各地の放射能調査を続け、結果を全世界に発信してきました。
原発が一旦事故を起こせば何が起こるのかを科学的に明らかにすることで、事故の被害を受けた人々の人権をまもり、2度と事故を起こさない、原発のない社会をめざして行動しています。

中嶋さん、電気のために誰かを犠牲にすることない明日のために、グリーンピースに参加してください。
起こってしまった事故をなかったことにはできません。でもひとりでも多くの声が加わることで、これ以上被害をひろげることをやめさせることはできると、グリーンピースは信じています。

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サポーター窓口 金海初芽

p.s.
ここまでお読みくださり、ありがとうございます。
中嶋さんの今日のご支援が、原発のない社会への大きな一歩になります。
一日50円から始められます。ぜひこの機会にご参加ください。

 

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